美酢のベスト配合がわからず立ち尽くした

美酢のベスト配合がわからず立ち尽くした

まず味見、それから加えたり薄めたりすればよいのだ

 


 

美酢と書いてミチョと読む。ミチャ?ミチュ?ビチョ?なんて何回も言い間違えて、その度に「ミチョね」と正されている。最近はナチョリブレを思い浮かべながら慎重に考えてミチョと言えるようになった。

 

ジュースの類は飲まない。三ツ矢サイダーもCCレモンもジンジャエールも大の好物だが、炭酸水を選ぶ。午後の紅茶ミルクティーはいつも誘惑してくるが、ストレートでしか飲まない。果糖ブドウ糖液糖を遠ざけているので、飲み物はもっぱら常温の水、麦茶、ルイボスティー。ごくたまに、果汁しぼりたて100%フレッシュジュース、紅茶、チャイなど。

 

クエン酸は積極的に摂取したいところだが、レモンをそのままかじる勇気はない。そこでお酢に目をつけた。若かりし頃、「はちみつ黒酢ダイエット」にハマり、毎日1パック飲んでいた。今も見かけたら買う。暑くなってくると、酸っぱくてしゅわしゅわしたものを飲みたくなる。よく行くスーパーでは「はちみつ黒酢ダイエット」のストレートしか置いておらず、しゅわしゅわさせられない。

 

そこで目についたのが、美酢だった。「100%果実発酵酢」とは、好物のオンパレード。果糖ブドウ糖液糖ではなく、フラクトオリゴ糖が入っている味を選んだ(味によって構成が異なるので注意。私が買ったのはいちご、ざくろ、カラマンシー)。フラクトオリゴ糖は生きたまま大腸まで届くため、整腸作用やミネラル吸収促進作用がある。

 

美酢、ボトルのラベルに希釈の方法が書いてある。美酢:水の割合は、濃いめなら1:2、ほどほどなら1:3、薄めなら1:4。初めて飲むのだからそもそも味の想像がしづらく、濃いとはどの程度の濃いなのかがわからない。

 

こういう“初めて”に遭遇した時、どう対処するのが自然なのだろうか?

 

ひとまず目分量で入れてみる。あとから調整しやすいように、まずは薄めから?美酢をコップの4分の1ほどに入れて、炭酸水を注ぐ?もうすこし美酢を味わいたいと思ったら、美酢をすこしずつ足してみる?

 

そう、それだけのことなのに。

 

その「まずやってみる」「やってみて、調整する」というアクションを、とれないのだ。

 

考えるよりも先にできる人にとっては、いったいなぜできないのか皆目見当もつかないだろう。

 

この時はどうしたかというと、1:2か1:3か1:4か何を基準に決めればいいかがわからず、まずグーグル先生に聞いた。わざわざ検索したのだ。今振り返っても、我ながら驚き。

 

まず注いでみればいいのに!目分量で1:4ぐらいをコップの7分目ぐらいまで入れて、味見すればいいのに!

 

この「まずやってみる」のハードルが、とてつもなく高いのだ。いくらでも薄めたり濃くしたり入れ直したり書い直したりできる美酢でさえこうなのだから、不可逆性が高かったり関係者が多かったりする意思決定はそれはそれはきつい。「まず決める、やってみる、それから考える」というやり方をとれなくて、最初のアクションは「まず考える、戦略と結果の仮説を想定できる限りのパターン出してみる、叩きすぎて割れる寸前まで時間と労力をかけてようやく意思決定する」になる。

 

どちらが良い悪いはなく、スタイルの違いであり、場面ごとに向き不向きがあるだろう。とはいえ、すべての意思決定をこの調子で決めようとするのは、時間や労力をトレードオフになる。

 

どうしたものか、導かれた決定事項が結果的に最善だったとしても、スピードや手間を最小化できるに越したことはない。どんな意思決定も脳は等しくパワーを消費する。ゆえに優先順位の高いものにそのリソースを割くようにして、精度を高めた方がトータルでよい。そこで、何度でもやり直しがつくタイプの意思決定はもっとさくっと軽く短時間で下せるようにするにはどうしたら?と考えて、ひとつ決めた。

 

「時間をかけるほど質が確実に上がるのか?もしくは決して後戻りできないのか?」を、まず問うこと。

 

答えがYESであれば、慎重に考える価値がある。だが、「今決めても時間をかけてもアウトプットは変わらない」「とりあえず決めてみて、それが望む通りでなかったとしても、すぐにor再びやり直すことができる」のであれば、先延ばしにするロスやコストの方が大きい。

 

こういうふうに、いちいちまじめに考えては論理的に自分を納得させる面倒くささに日々悩まされている。このまとめにたどりつくにも時間がかかったので、またぐだぐだ決められない日が来た時のために残しておく。

 

 



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